ひつじの寝言 もう止まらない・・・! 忍者ブログ
日記や更新記録などをまったりと。 別名「今日のアスランさん」…落書き絵日記です。
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つい地上波の「せんとちひろのかみかくし」というか「ハク様」に、夢中になってしまい、
今日の落書き日記を描く時間はないかな、でもハクなイザーク描きたいなv
などと思いつつメールをチェックしたら・・・昨日の続編が、風野様から届いていたんです!
どうしよう、ここ数日アドレナリン放出しっぱなしで血圧急上昇!(笑)
風野様、素敵な家族まで書いてくださってありがとうございます!

では、どうぞーv
********************


【唇の記憶】


今日は、めずらしく母さんが早く帰ってきて、夕食を一緒にとった。
「お父様は、お元気?アスラン」
始終、メールのやりとりをしているだろうに、母さんは、俺にそう聞く。
「うん、元気。夏になったら、母さんと一緒に軽井沢に行くくらいの休みはもぎとるって言ってたよ」
「まあ!」
母さんの頬がほんのり染まる。
もともとザラ財閥の一族は政略結婚をめったにしない情熱家ぞろいの家系で知られているけれど、父さんの場合は、時の政界の首領の娘との縁談を断っての結婚で、ものすごく評判になったらしい。
俺の目から見ても、かたや財閥の会長、かたや農学研究者で、お互いすごく忙しくて、そうそう会えないでいるけれど、すごく好きあっている夫婦だと思う。
俺を大事にしてくれているけれど。
父さんは母さんのもので。
母さんは父さんのものだ。
二人が一緒にいると、何だか、俺はその場にいちゃいけないような気がしてならなくなる。
「…スラン!アスラン!どうしたの?ぼーっとして」
「ああ、ごめん」
「手配しておいたから、明日には、桃が届くわよ」
「うちのグループの研究室がサポートしていたやつ?」
「そうよ。あちらの農業組合もすごく喜んで下さっていてね。味には自信があるわよ。楽しみにしてらっしゃい」
「…うん」
「本当に、どうしたの?何だか、元気がないわね」
「…今日は、生徒会の議事録ととっくみあってたから、少し疲れちゃったのかな?俺、もう寝るよ」
「よくお休みなさい。明日は朝が早いから、もう会えないけれど、お父様によろしくね」
「おやすみ、母さん」

二階の自室でパジャマに着替えてベットに入っても、目は冴えてくる一方だった。
元気がない?
母さん、俺のこと、見てないようでちゃんと見ててくれてるよね。
俺、確かに、多分、元気がない。
今日の夕方、校舎の屋上で、ジュール先生に生まれてはじめてキスしてもらった。
あの時は、いったい何がどうなっているのかよくわからなかったけれど。
俺、そんなに、ああいうことに詳しい方じゃないけれど。
舌を絡ませられた濃いキスだったと思う。
なのに、先生は、理由もなく涙ぐんでしまっていた俺に。
「…こんな子供だましのキスひとつで泣くな、馬鹿者」って。
大きな手で、俺の頭をくしゃりと撫でて、行ってしまった。
屋上に、俺を、ひとり残して。
触れたらすこしひんやりしているかなと思っていた先生の唇は、とても熱くて、絡められた舌はきつくて、先生が吸っていた煙草の苦さが、いまだに残っているような気がする。
なのに。
「子供だまし」。
引き上げた毛布の下で、目が熱くなった。
「…子供だまし、なんかじゃ、なかったよね、センセイ?」
先生がそこにいるわけでもないのに、言葉が口からこぼれてくる。
先生。
先生は、あんなキス、誰とするの?してきたの?
相手は、どんな女(ひと)?
きっと、綺麗な女なんだよね。
でも、先生。
俺、先生からみたら「子供」なのかもしれないけれど、俺からあんなキスできるようになったら、また、ちゃんとしてしてくれる?
身体をちぢこめたら、毛布がこすれて唇をかすめた。
先生が触れた唇。
先生がキスしてくれた唇。
それこそ子供みたいなことしてる、って思いながら、俺は、自分の唇にそっと触れてみる。
あの熱が、もうそこにはないのが、切なくて。
俺は、きつく唇をかみしめた。




文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
********************

きっとこの後は、今までしつこいくらいに追い回していたアスランが急に顔をみせなくなって、今度はイザークが気になり出して、すれ違い&追いかけっこでいちゃいちゃするといいと思います(酷!)
やっと廊下で姿を見つけたのに、踵を返し逃げるアスラン、追いかけるイザークv
「おい待て、貴様!逃げるな!」
いつもクールなジュール先生がつい大声を出してしまい、驚く周囲の目も気にせず、
屋上まで追いつめてから、いつのまにかこんなにも嵌ってしまっていたことに気が付く。

・・・だって小悪魔アスランですからv

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