ひつじの寝言 コラボ『春にして君を知り』 忍者ブログ
日記や更新記録などをまったりと。 別名「今日のアスランさん」…落書き絵日記です。
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ふと『センセイ、遅れてすみません』より『遅れてすみません、センセイ』と、センセイを後につけたほうが含みがあって小悪魔っぽいなぁと思いました。(←どうでもいい)
実は私、1話目をUPしていなかったという、風野様にとても失礼なことをしでかしていました!
申し訳ありませんでした・・・!(土下座)
5月26・28日の落書きから妄想は始まっているので、カテゴリー『春にして君を知り』にすでに入れてますが、その妄想を丁寧に拾って書いてくださったイザーク視点のお話です。
遅くなってすみませんでした!
  
では、どうぞv

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「とけない方程式」

俺の昼休みの逃げ場所は、とうにコイツに知られている。
アスラン・ザラ。
両親のとんでもない社会的肩書きにもかかわらず品行方正・成績優秀・文武両道と絵に描いたような優等生、と評判の一年生だ。
だか、しかし。
質問することなんて、ないだろうに、授業の後に俺の所にやって来る。
そして、いったい、どうやって嗅ぎつけたのか、昼休みには、生徒会だのクラブ活動だので拘束されてなければ、俺がささやかに羽根をのばしている学園内のチャペル脇の庭園にまでやってくる。
さすがに今日という今日は、堪忍袋の緒が切れた。
「アスラン・ザラ、貴様、質問することもないのに俺を追い回すな。貴様なら、質問なんぞせんでも、参考書を見れば何とでもなるだろうが」
少しは反省するかと思ったが、返ってきた言葉に俺は頭をなぐられたような気分になった。
「俺が質問したいのは、知りたいのは、センセイのことだよ」
草を踏む音がして、一歩こちらに踏み出してくる。
才色兼備で知られた母親ゆずりの端正な顔の中で、深い翠の瞳が、何ともいえない色をたたえていた。
いったい、コイツは、自分のそんな眼差しが相手にどんな気を起こさせるのか、わかっているのか?
そんな気のないはずの俺が、血の騒ぎを抑えられないでいる。
「貴様、俺を犯罪者にするつもりか?」
「まさか、ただセンセイを知りたい、それだけだよ」
「教師としての俺か?それとも、ただの男として?」
いったい、俺は何を言っている?
年長者として、教師として、言うべきことがあるだろう!
どうして、俺の口から俺の良識に反した言葉が出てくるんだ。
まるで、学生の頃、解けない方程式を前に唸った気分だ。
遠くで、昼休みの終了を告げる予鈴が響いている。
俺は、心底、ほっとしている自分に心の中で冷や汗をかいていた。




文:『どんぶり鉢』風野様
絵:ひつじ
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以前『生徒アスランが髪を耳にかける仕草でサインネタを』というコメントをいただいていたので、一石二鳥を狙って描いてみました(笑)漫画もどきはいつ描けるかわからないので、ズルしてごめんなさいです、Y様。(←私信)
ジュール先生は、授業中じっと見つめられる視線をふとはずされた時にアスランを意識して、その無防備な仕草や手首の白さに気付かされたりするといいと思いますv

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『どんぶり鉢』管理人 風野 様に素敵なお話を書いていただくのもこれで4話目になります。
ご自分のサイトの更新もありますのに、連日の執筆をありがとうございました!
きっとご訪問くださった皆様にも楽しんでいただけたかと思いますv
もちろん一番楽しんでいたのは私なのですがwww

こんな前置きを書くとこれで終わりのように思われるでしょうが、えへへへへ(←キモイ)実は、もう少し続きを書いてくださるようです!やったーvvv
ただ、このハイペースではご負担がかかってしまうと思うので、風野様と色々とご相談しながらゆっくりペースで進めて行きたいと思います。
そこで、このコラボにもいい加減に名前を、とご相談したところ素敵なタイトルを付けて下さいました。
教師イザーク×生徒アスランの恋模様は今後、急展開をむかえます。
「君に出会ったのはこの春だったのに、もう今はすっかり…」みたいな感じで、
タイトルは『春にして君を知り』に決まりました!
これからもぜひお付き合いくださいv

今回のお話は、『夕陽の瞳』の続編、その夜のイザーク視点です。
では、どうぞv

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【Midnight Moon】


真夜中近い。
もう寝るばかりだったので、パジャマに着替える前のバス・ローブをはおっただけの格好で、寝室のライトを消した時だった。
携帯が、久しぶりの着信音を鳴らした。
肩にかけていたタオルでまだ湿った頭を、もう一度ぬぐい、電話をとりあげる。
相手は出る前からわかっていた。
「はーい!元気?」
「…フレイ、今、何時だと思っている?他人様の家に電話するには問題がある時間だとは思わないのか?」
「あら、あなたと私の仲で、こんな時間と言えば、よくあった時間じゃない?それとも、なあに?かのZAFT学園って、あなたみたいにタフな男が音をあげて、夜には、なあんにもしたくなくなるくらいの職場なの?」
「お前のいるコスモス・アカデミーほどじゃないさ」
フレイ・アルスターは大学の同期だった。卒業後、俺は、私立の学園を転々とし、彼女は教育産業界トップのコスモス・アカデミーに勤め、今ではスーパー講師としてベスト・セラーの受験対策本を何冊か出している精鋭だ。
プライドが高い所と少し寂しがり屋な所とドライな所が不思議にまじりあった性格をしている。
「それ、褒めてるの?」
「けなしているように聞こえるか?」
少しの間。
次に来る問いかけも、わかっていた。
「ねえ、イザーク。今度の週末、空いてない?」
「……お前、この春まで付き合っていた男はどうした?」
「私と付き合っていながら、あの人、取引先の会社の部長令嬢のエスコートを事あるごとに、していたのよ。『俺は営業職なんだ。仕方ないだろう!』って、そんなことくらいわかるわよ。私をものわかりの悪い女だと決めてかかって、私に黙っていたこと、許せないわ!」
言い分はわかるが、新しい男を振るたびに、元の男である俺の所へ電話を寄こしてくるのには、「ちょっと待ってくれ!」と言いたくなる。まあ、一方的に被害者面してめそめそと愚痴をこぼすでなく、ドライで、思えば付き合いは長くて気心がしれているから、友人として時たま付き合うにはいいのだが、俺にだって、その時々の相手がいることがある。
「……他をあたれ。悪いが、今週末は次の会議で再度あげる議案を練り直す予定だ」
「あいかわらず、即答で、はっきりものを言うのね」
「お前相手に、逃げようとは思わんし、お前は「ごまかし」が嫌いだろう?」
電話の向こうで、クスリとかすかに笑う気配がした。どうやら、とんでもない真似をした男に対する怒りを少しは発散できたらしい。
互いに軽い挨拶をして、電話を切った。

ベットに腰かけると、ブラインド越しに、夜空の満月が見えた。
明日は天気が崩れる前兆なのか、ぼうっと潤んでいる。
潤んだ真円。
何の脈絡もなく、アイツの瞳を思い出した。
夕方、会議の後のささくれだった気持ちをそのままにぶつけて、初めての相手、しかも自分の生徒に、手ひどいキスをした。
いつもいつも、俺を追いかけてきて俺を見つめ上げる目差しはかわらず、真っ直ぐなままだったが、瞳は潤み、今にも泣き出しそうだった。
「子供だましのキスひとつで泣くな」などと、言ってしまったが、泣かせてしまったのは俺だ。
月はおぼろに淡い光をはなっている。
アイツは今頃どうしているだろう?
ひとりでいることが多いと言っていた家で、いきなりだったことに、怒っているだろうか?
それとも、泣いているだろうか?
キスの後、唇をぬぐっていたアイツの指は、かすかに震えていた。
気が付くと、俺は、アイツのことばかり考えている。

「夜には、なあんにもしたくなくなるくらいの職場なの?」
さっきのフレイの言葉が妙に生々しい意味をもって、胸に迫ってきた。
くそっ!
どうしたんだ、俺は。
ここしばらく誰とも肌を合わせていなかった身体が、熱くなってくる。
かすかな月明かりにぬれるベットにバス・ローブを放りなげ、俺は、再度、バス・ルームに向かった。
身体の熱をさます冷たいシャワーを浴びるために。

シャワーの後は、少しだけ酒を飲もう。
アイツのあの瞳を思わせる月を気にする間もなく、眠れるように。



文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
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風野様、ありがとうございました!
背景はコラボページにUPする時に追記しますv 

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5月26日の落書きから始まった、教師イザーク×生徒アスラン設定ですが、ますます萌え上がっております。それというのも、ひとえに風野様が、拙い妄想を拾い上げて素敵な文章を書いてくださったおかげです!ありがとうございます!
心からの感謝の気持ちをお返しする術もないのに、欲望まみれの私はさらにおねだりをしてしまいました・・・!本当に図々しくて申し訳ありません!
いや、でもきっとこの『イザーク視点』を読みたかったのは私だけじゃないはず!
・・・ですよね!?(←)
と、いうことで屋上でのキスをイザーク視点で書いていただきましたwww
これから座右の銘は『他力本願』か『厚顔無恥』にしようかと思う今日この頃です・・・orz

では、どうぞー!
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【夕陽の瞳】


ついさっき職員会議が終わった。
さすがにZAFT学園、いままで勤めてきた学校にくらべれば、校風もだが職員の間柄も風通しがいいことはいい。
ただし。
人から為る組織では、どこでもあることだが、実力もないのに権力を握りたがるヤツ、そして権力を握っているヤツの傘の下でそれが自分の力だと思って他人を見下してかかるヤツは、必ずいるものだ。
そういう輩に限って、学校として生徒の持つ生きる力も含め、さまざまな能力をどう伸ばしていくかといった大事な仕事以外の所で、やたらと自分の力を誇示したがる。
ZAFT学園は中等部から大学部までを擁する学校で、特に図書館の設備が充実していることが、首都圏近郊の学校の中でも評判だ。大きな自習室もある。何も、予備校づけになるような学生生活を送る必要はあるまい。専属の図書館スタッフがいて、遅くまで空いていて、ガード・マンの巡回もしっかりしているし、あとは教員の方でシフトを組んで、一人月に二回ほどだけでいいから、一定の時間まで図書館に詰めるようにしてやれば、生徒は復習や予習の後にすぐ質問にこられるし、どうかと思ったのだが……。「風紀が乱れます」と、副校長と数名の教師にそろって言い張られた。
「青少年」、「遅くまで残る」と来たら、「学校の管理責任」、「非行の温床」という発想しかできないのが、目に見えるようだった。
まったく!
どうにも、内心のイライラが収まらず、普段はあまり吸わない煙草につい手が伸びる。

屋上に通じる階段を、誰かが登ってくる足音がして重い扉が開かれた。
かすかに荒い息。
しっかりと足音がこちらに近づいて来る。
誰かは、すぐわかった。
アスラン・ザラ。
高等部の一年生。ザラ財閥の御曹司。品行方正・成績優秀・文武両道と教師の間の評判は極上だし、いままで手のつけられないお坊ちゃま学生を見てきた俺の目から見ても、コイツはたいしたもんだと思う。が、やたらと懐かれてるというか、追いかけられているというのか、これには正直困ったものだと思っている。はっきり言って、今は、夕陽を映しているまっすぐな瞳に見つめあげられると、俺としたことが平静でいられなくなりつつあるからだ。
「…センセイ、煙草吸うんだ?」
少し驚いたような声。ああ、そう言えば、少なくとも生徒の前では吸わないようにしているから、「煙草を吸わない」と思われててもおかしくはないな。
アスランが一歩、こちらに近づいて来る。
ほとんど、こちらに身を寄せるような立ち位置だ。
「煙草って、どんな味?」
夕陽の煌きに彩られた瞳は、あまりにも率直で、無防備で、先ほどまでのドロドロした会議の雰囲気とのあまりの落差に目が眩む。俺の心の中で凶暴な何かが堰を切ってあふれ出た。
腕をのばして、アスランの唇を奪う。
とっさに身をすくませた相手の肩を腰をきつく抱いて、唇を深く重ねて、舌をきつく絡めて。
胸に抱え込んでいたものを、ぶつけるように、口付けた。

挑発した貴様が悪い!

だが、気がつけば、アスランの手は俺の背中にしがみついていて、かすかに震えている。
愕然として、できるだけそっと、その細い身体を手離した。
「……大人を、からかうな」
コイツは意識していないのに大人をその気にさせてしまう。気をつけさせなければ……そう思って、相手の視線を避けながら、落としていた煙草をもみ消して、もう一本灯をつける。
「もう下校時間だろうが。子供は帰れ」
返事がない。
いぶかしんで振り返れば、アスランは、瞳を潤ませて唇をそろそろと拭っていた。
いったいどういう真似をしでかしてしまったんだ!?俺は。
年下の少年が俺を慕ってくれる気持ちにつけこんで、荒んだ気持ちを発散させようとした。いや、俺が自己嫌悪におちいっている場合か!コイツには、おそらく、初めてのことだったんだろう。
アスランへの詫びの気持ちとこれ以上の関係に進むことがないように自戒をこめて、できるだけ平静に少しだけ茶化すように言う。
「…こんな子供だましのキスひとつで泣くな、馬鹿者」
弟にでもするように、蒼い髪をくしゃりと撫でた。
髪はふわりとやわらかく、夕陽をうつした瞳は、潤んでいつもの倍くらい大きく見える。
そのまま瞳に見入れば、また、どうなることか。
俺は、足早に屋上から去った。



文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
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風野様、わがままを聞いてくださって本当にありがとうございました!
(※6月7日1:10イラスト追記しました)

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つい地上波の「せんとちひろのかみかくし」というか「ハク様」に、夢中になってしまい、
今日の落書き日記を描く時間はないかな、でもハクなイザーク描きたいなv
などと思いつつメールをチェックしたら・・・昨日の続編が、風野様から届いていたんです!
どうしよう、ここ数日アドレナリン放出しっぱなしで血圧急上昇!(笑)
風野様、素敵な家族まで書いてくださってありがとうございます!

では、どうぞーv
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【唇の記憶】


今日は、めずらしく母さんが早く帰ってきて、夕食を一緒にとった。
「お父様は、お元気?アスラン」
始終、メールのやりとりをしているだろうに、母さんは、俺にそう聞く。
「うん、元気。夏になったら、母さんと一緒に軽井沢に行くくらいの休みはもぎとるって言ってたよ」
「まあ!」
母さんの頬がほんのり染まる。
もともとザラ財閥の一族は政略結婚をめったにしない情熱家ぞろいの家系で知られているけれど、父さんの場合は、時の政界の首領の娘との縁談を断っての結婚で、ものすごく評判になったらしい。
俺の目から見ても、かたや財閥の会長、かたや農学研究者で、お互いすごく忙しくて、そうそう会えないでいるけれど、すごく好きあっている夫婦だと思う。
俺を大事にしてくれているけれど。
父さんは母さんのもので。
母さんは父さんのものだ。
二人が一緒にいると、何だか、俺はその場にいちゃいけないような気がしてならなくなる。
「…スラン!アスラン!どうしたの?ぼーっとして」
「ああ、ごめん」
「手配しておいたから、明日には、桃が届くわよ」
「うちのグループの研究室がサポートしていたやつ?」
「そうよ。あちらの農業組合もすごく喜んで下さっていてね。味には自信があるわよ。楽しみにしてらっしゃい」
「…うん」
「本当に、どうしたの?何だか、元気がないわね」
「…今日は、生徒会の議事録ととっくみあってたから、少し疲れちゃったのかな?俺、もう寝るよ」
「よくお休みなさい。明日は朝が早いから、もう会えないけれど、お父様によろしくね」
「おやすみ、母さん」

二階の自室でパジャマに着替えてベットに入っても、目は冴えてくる一方だった。
元気がない?
母さん、俺のこと、見てないようでちゃんと見ててくれてるよね。
俺、確かに、多分、元気がない。
今日の夕方、校舎の屋上で、ジュール先生に生まれてはじめてキスしてもらった。
あの時は、いったい何がどうなっているのかよくわからなかったけれど。
俺、そんなに、ああいうことに詳しい方じゃないけれど。
舌を絡ませられた濃いキスだったと思う。
なのに、先生は、理由もなく涙ぐんでしまっていた俺に。
「…こんな子供だましのキスひとつで泣くな、馬鹿者」って。
大きな手で、俺の頭をくしゃりと撫でて、行ってしまった。
屋上に、俺を、ひとり残して。
触れたらすこしひんやりしているかなと思っていた先生の唇は、とても熱くて、絡められた舌はきつくて、先生が吸っていた煙草の苦さが、いまだに残っているような気がする。
なのに。
「子供だまし」。
引き上げた毛布の下で、目が熱くなった。
「…子供だまし、なんかじゃ、なかったよね、センセイ?」
先生がそこにいるわけでもないのに、言葉が口からこぼれてくる。
先生。
先生は、あんなキス、誰とするの?してきたの?
相手は、どんな女(ひと)?
きっと、綺麗な女なんだよね。
でも、先生。
俺、先生からみたら「子供」なのかもしれないけれど、俺からあんなキスできるようになったら、また、ちゃんとしてしてくれる?
身体をちぢこめたら、毛布がこすれて唇をかすめた。
先生が触れた唇。
先生がキスしてくれた唇。
それこそ子供みたいなことしてる、って思いながら、俺は、自分の唇にそっと触れてみる。
あの熱が、もうそこにはないのが、切なくて。
俺は、きつく唇をかみしめた。




文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
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きっとこの後は、今までしつこいくらいに追い回していたアスランが急に顔をみせなくなって、今度はイザークが気になり出して、すれ違い&追いかけっこでいちゃいちゃするといいと思います(酷!)
やっと廊下で姿を見つけたのに、踵を返し逃げるアスラン、追いかけるイザークv
「おい待て、貴様!逃げるな!」
いつもクールなジュール先生がつい大声を出してしまい、驚く周囲の目も気にせず、
屋上まで追いつめてから、いつのまにかこんなにも嵌ってしまっていたことに気が付く。

・・・だって小悪魔アスランですからv

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うっかり昨日の日記を見てしまい、消化不良を起こしていらした方々に朗報です!
昨日の無責任な妄想を拾ってくださる神様がいらっしゃいましたv
実は私自身も消化不良を起こしていて、今日はアスランサイドを描こうかと思っていたら、
こんなに素敵なお話がメールで届いていたんです。
以前頂いたお話もコラボに掲載予定なのですが、まだイラストが描けていません。
でも、独り占めが溜まってしまったので、取り急ぎこちらを新鮮なうちにお裾分けですwww
後ほど改めて落書きを加筆修正してコラボに再録させていただきますねv

『どんぶり鉢』管理人 風野様が書いてくださいました!
では、どうぞー!
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【Smoky Kiss】


PCで即時入力していた議事録に、いつになく誤字脱字があって、訂正をしていると、思いの他、時間がかかった。
生徒会の他のメンバーは、とっくに帰宅するなり、クラブ活動に戻るなりしている。
そういえば、図書館で借りていた本の返却期限が迫っているんだったと思い出して、慌ててPCをしまい、部屋の戸締りを確認して生徒会室が入っているクラブ棟を出た。
図書館はさすがに大学部を有する学園なだけあって立派な施設で、専門スタッフがいる検索システムを支えるPCの部屋、ノートPC持込可能な大きな自習室、教育目的に制作されたプログラムを閲覧できるオーディオ・ルームが完備され、けっこう遅くまで開いている。
クラブ棟から図書館へ行こうとして。
夕陽に染まる校舎の屋上でさらりと揺れる銀色の輝きが目に入った。
途端に、本の返却期限なんて、どうでも良くなってしまった。
足先を180度変えて、校舎に入り、階段をかけ上がる。
屋上にたどりつくと、腕をくんで立っている長身の後ろ姿がある。
何とか息を整えながら、近づいた。
銀髪が流れて、綺麗な顔が振り向く。いつもとちょっと様子が違って、きつい薄青の瞳は、あからさまに「何だ、また、お前か」って言ってるみたいだ。
もし、そう言われても、仕様がない。
だって、仕様がないんだ。
先生が新学期に少し遅れて赴任してきた時から、俺はおかしくなってしまった。
学校に行くのが嬉しくてならなくなったのは、先生に会えるからだ。
学校に着いた途端、先生の受け持ちの授業がない日でも、今日は先生に会えるかなって、ドキドキしている。
たまに、ほんとうに時たま、先生と二人きりになれて、話すことができたりすると、「嫌われるようなこと言ってるんじゃないかな」と思いながらも、でも先生のことがもっと知りたくて、しつこくつきまとうように話しかけてしまう。
ふわりと煙草の匂いが、風にのって流れてきた。
先生は無言だ。
「…センセイ、煙草吸うんだ?」
先生の眉が、ほんの少し動く。
父はまったく煙草を吸わないし、クラスの子達みたいに興味もないから、俺は煙草のことは良く知らない。
でも、先生が吸っているなら、知りたい。
「煙草って、どんな味?」
先生は、かすかに舌打ちして、片手を俺の肩に伸ばしてくる。
何のことなのかわからず、驚いていると。
先生の唇が、俺の唇に噛みつくように重なってきた。
反射的に身体が動いて、後じさろうとしたけれど、先生の手は腕は、強い。
俺の肩と腰をとらえて、離さない。
煙草の煙のかすかに苦い匂いが、俺の口の中に広がる。
先生の舌が入ってきて、俺のをきつく絡めとり、吸い上げ、少し息が苦しくて、俺は、俺は、どうしていいかわからなくなる。
足に力が入らなくなって、何だか頭がぼうっとしてきて、夢中で先生の背中にしがみついた。
「……大人を、からかうな」
先生は、唇をはなすと、俺の身体もそっと離してしまった。
「もう下校時間だろうが。子供は帰れ」
先生、俺、からかってなんか、いない。
もう、子供でもない。
先生のことなら、何でも知りたい。
それだけなんだ。
先生は、落としてしまった煙草を足元でもみ消し、新しい一本に火をつける。
夕陽が落ちていく方を向いて、何も言ってくれない。
細い煙が流れてくる。
その煙の匂いと味は、俺の口の中に残るものと同じだった。



文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
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風野様、ありがとうございました!!!

せっかくの素敵なお話に、急いで描いたものをくっつけてごめんなさい。
あとでもう少しまともなものに描き直しますね!

この後、潤んだ瞳で濡れた唇を拭うアスランの予想外の姿に、
ちょっと大人げなかったと反省するジュール先生。
「・・・こんな子どもだましのキスひとつで泣くな、馬鹿者」
大きな手でアスランの頭をくしゃりと撫でて、去っていく・・・。

ああ、駄目っ。まだまだ妄想が止まらない・・・(笑)

コメントやメールをありがとうございます!
お返事は週末にさせていただきますねv
遅くなっていてすみません。

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