ひつじの寝言 コラボ名が決まりましたv 忍者ブログ
日記や更新記録などをまったりと。 別名「今日のアスランさん」…落書き絵日記です。
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『どんぶり鉢』管理人 風野 様に素敵なお話を書いていただくのもこれで4話目になります。
ご自分のサイトの更新もありますのに、連日の執筆をありがとうございました!
きっとご訪問くださった皆様にも楽しんでいただけたかと思いますv
もちろん一番楽しんでいたのは私なのですがwww

こんな前置きを書くとこれで終わりのように思われるでしょうが、えへへへへ(←キモイ)実は、もう少し続きを書いてくださるようです!やったーvvv
ただ、このハイペースではご負担がかかってしまうと思うので、風野様と色々とご相談しながらゆっくりペースで進めて行きたいと思います。
そこで、このコラボにもいい加減に名前を、とご相談したところ素敵なタイトルを付けて下さいました。
教師イザーク×生徒アスランの恋模様は今後、急展開をむかえます。
「君に出会ったのはこの春だったのに、もう今はすっかり…」みたいな感じで、
タイトルは『春にして君を知り』に決まりました!
これからもぜひお付き合いくださいv

今回のお話は、『夕陽の瞳』の続編、その夜のイザーク視点です。
では、どうぞv

********************


【Midnight Moon】


真夜中近い。
もう寝るばかりだったので、パジャマに着替える前のバス・ローブをはおっただけの格好で、寝室のライトを消した時だった。
携帯が、久しぶりの着信音を鳴らした。
肩にかけていたタオルでまだ湿った頭を、もう一度ぬぐい、電話をとりあげる。
相手は出る前からわかっていた。
「はーい!元気?」
「…フレイ、今、何時だと思っている?他人様の家に電話するには問題がある時間だとは思わないのか?」
「あら、あなたと私の仲で、こんな時間と言えば、よくあった時間じゃない?それとも、なあに?かのZAFT学園って、あなたみたいにタフな男が音をあげて、夜には、なあんにもしたくなくなるくらいの職場なの?」
「お前のいるコスモス・アカデミーほどじゃないさ」
フレイ・アルスターは大学の同期だった。卒業後、俺は、私立の学園を転々とし、彼女は教育産業界トップのコスモス・アカデミーに勤め、今ではスーパー講師としてベスト・セラーの受験対策本を何冊か出している精鋭だ。
プライドが高い所と少し寂しがり屋な所とドライな所が不思議にまじりあった性格をしている。
「それ、褒めてるの?」
「けなしているように聞こえるか?」
少しの間。
次に来る問いかけも、わかっていた。
「ねえ、イザーク。今度の週末、空いてない?」
「……お前、この春まで付き合っていた男はどうした?」
「私と付き合っていながら、あの人、取引先の会社の部長令嬢のエスコートを事あるごとに、していたのよ。『俺は営業職なんだ。仕方ないだろう!』って、そんなことくらいわかるわよ。私をものわかりの悪い女だと決めてかかって、私に黙っていたこと、許せないわ!」
言い分はわかるが、新しい男を振るたびに、元の男である俺の所へ電話を寄こしてくるのには、「ちょっと待ってくれ!」と言いたくなる。まあ、一方的に被害者面してめそめそと愚痴をこぼすでなく、ドライで、思えば付き合いは長くて気心がしれているから、友人として時たま付き合うにはいいのだが、俺にだって、その時々の相手がいることがある。
「……他をあたれ。悪いが、今週末は次の会議で再度あげる議案を練り直す予定だ」
「あいかわらず、即答で、はっきりものを言うのね」
「お前相手に、逃げようとは思わんし、お前は「ごまかし」が嫌いだろう?」
電話の向こうで、クスリとかすかに笑う気配がした。どうやら、とんでもない真似をした男に対する怒りを少しは発散できたらしい。
互いに軽い挨拶をして、電話を切った。

ベットに腰かけると、ブラインド越しに、夜空の満月が見えた。
明日は天気が崩れる前兆なのか、ぼうっと潤んでいる。
潤んだ真円。
何の脈絡もなく、アイツの瞳を思い出した。
夕方、会議の後のささくれだった気持ちをそのままにぶつけて、初めての相手、しかも自分の生徒に、手ひどいキスをした。
いつもいつも、俺を追いかけてきて俺を見つめ上げる目差しはかわらず、真っ直ぐなままだったが、瞳は潤み、今にも泣き出しそうだった。
「子供だましのキスひとつで泣くな」などと、言ってしまったが、泣かせてしまったのは俺だ。
月はおぼろに淡い光をはなっている。
アイツは今頃どうしているだろう?
ひとりでいることが多いと言っていた家で、いきなりだったことに、怒っているだろうか?
それとも、泣いているだろうか?
キスの後、唇をぬぐっていたアイツの指は、かすかに震えていた。
気が付くと、俺は、アイツのことばかり考えている。

「夜には、なあんにもしたくなくなるくらいの職場なの?」
さっきのフレイの言葉が妙に生々しい意味をもって、胸に迫ってきた。
くそっ!
どうしたんだ、俺は。
ここしばらく誰とも肌を合わせていなかった身体が、熱くなってくる。
かすかな月明かりにぬれるベットにバス・ローブを放りなげ、俺は、再度、バス・ルームに向かった。
身体の熱をさます冷たいシャワーを浴びるために。

シャワーの後は、少しだけ酒を飲もう。
アイツのあの瞳を思わせる月を気にする間もなく、眠れるように。



文:『どんぶり鉢』風野 様
絵:ひつじ
********************

風野様、ありがとうございました!
背景はコラボページにUPする時に追記しますv 

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