ひつじの寝言 魔法使いさんからの贈り物 その2 忍者ブログ
日記や更新記録などをまったりと。 別名「今日のアスランさん」…落書き絵日記です。
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なんだかパタパタしているうちに日付が変わってしまいそうなので、昨日予告していた続きだけでもUPさせていただきます!(汗)
風野さまFANの皆様、お待たせしましたwww
このお話は昨日UPした『見えざる手』のアスラン君が、「お忙しい父上も僕とのチェスを楽しんでいらっしゃるのか知りたい」と魔法使いさんに伺ったところ(おねだりとも言うv)書いてくださったものですw 

では、どうぞ!


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「秘密の部屋」


「ほ、ほう!ここが、ザラ評議員ご自慢の宝物が納められている部屋というわけだ!」
薄青い瞳をギラつかせて、迫ってきたエザリア・ジュールマティウス市長を前にして、パトリック・ザラは、さあーっと青ざめた。
「や、いや、エザリア、これには訳があって!」
「長い付き合いのある、家族ぐるみの付き合いになる私にも、言えない訳だろう?」
「い、言えない訳ではない!」
「じゃあ、入っても問題ないだろうが!それとも何だ?こんな、夜遅くの時間には、人を入れない部屋なのかっ!?」
エザリアの青い視線は議員としては質素なくらいの暮らしぶりをしていると評判のザラ評議員が特別にとっているホテルのセミ・スウィート・ルーム内の小さな部屋の扉を射抜いている。
「ほ、本当に、言えない、訳ではないんだ…」
「十日ほど前に、妙齢の美人が、ここを訪れたと評判だぞっ!」
「彼女は!」
「彼女は?」
エザリアの瞳には、返答次第でパトリックを眼差しだけで殺しかねない光がみなぎっている。
「木工職人というか…その…チェスを作ってくれて、顧客の満足のいくまで細工してくれる職人だから、わざわざ、不足がないか聞きにきてくれたんだ」
「チェス?」
とうとう、パトリックは天を仰いで、扉をあけ、エザリアを中に招きいれた。
小さなサロン風の部屋。
机の上には、古風な木製の寄木細工のチェス・ボード。
そして、その上に並べられた駒達。
駒は、ばらばらと並べられていて、まるで勝負の途中のようだ。
「…で、誰と、このチェス、勝負している?」
最後の最後まで追及の手をゆるめない、古くからの同志に、ついにパトリックは兜を脱いだ。
「…アスランだ」
「アスランと!?」
「そうだ。評議員になる少し前から教え始めたんだが、勝負が出来るようになりだした頃に、ちょうど当選したから、相手をしてやれなくなって……そしたら、レノアが、『あなたが駒の進める場所を仰って下されば、夜にわたくしが駒を進めておきます。そしたら、朝一番に、アスランが次の一手を打てるでしょう?』と」
「レノアらしいな」
どうやら、自分の心配が全くの杞憂だったと知って、ふうっと息をはいたエザリアは、微笑んだ。
「しかし、評議員ともなれば、この部屋に帰ってくるのが、午前さまということもあるだろう?」
「ああ、まあ、そういうこともあるな。でも、その、だな…アスランが、毎朝、それは、その、楽しみにしているのだと聞かされていては、下手な手は打てん。不思議と、頭が冴えてくる」
「午前さまの時は、ディセンベルでレノアが朝一番で駒を動かすのか?」
「そのようだ」
「『あのザラ議員が愛人を通わせているらしい』という噂を聞きつけて、きてみれば、最愛の子息とのチェス対決用の部屋の為のセミ・スウィート・ルームか!お前らしい」
くつくつと笑い出したエザリアに、どんな表情をしていいのか判らず、パトリック・ザラは顔色をめまぐるしく変えるのだった。

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風野さま、本当にありがとうございました。甘えてばかりですみません!

以下、コメント返信です。続きを読んでください。
7/19 レレ様

レレ様

コメントありがとうございます!
おおお、レレ様宅でも同じようなことをしていらしたなんてwww
でも、我が家の娘の場合、悪戯心100%なので「今度こそ、絶対できないくらい難しくしてやる!」なんて言っているので、アスランのような純粋さは無いようです(笑)
そうですよね、パトパパは家族をとても溺愛し大切にしていたと私も思います。だからこそ、失ったときに凶行に走ってしまったのだと思うと余計に辛いです。今回、拙い妄想を風野さまが素敵なお話に変えてくださったのでレレ様も楽しんでいただけると嬉しいですv
それから、イースのお話は私ももちろん変換して楽しみましたとも!
でも、「パッション」っていうはじけた名前に違和感を感じつつ無理矢理変換しています(笑)

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